紙縒(こより)伝統工芸へのお誘い〜もうひとつあった紙縒り伝統文化

私たちは、いつも何かをやろうとしながら時間だけが過ぎていきます。余 暇の時間も多くなりつつある現代にあって、自分にできる時間が『手作り』の一つの表現でもあります。 昔から生活の知恵としての道具を作り出しているのですから手作りは人間本来の姿に戻ったと考えても良いでしょう。
お仕事や家事の合間にティッシュなどをちぎって撚り、自分で作ったものが何よりも変え難い喜びがあり、満喫したひとときに変わる人間そのものの個性ある息吹きが感じられます。 大人から子供まで手軽に楽しめる紙縒り作品が人の暖かさをほのぼのと伝えてくれます。

和紙やティッシュなどで何が出来るかと思われがちですが、身の回りにあるもので、いつでも楽しめるあらゆる装飾品が工夫によって出来上がります。

手作り独特の暖かい肌ざわりのある和紙の織り成す紙縒りで作った作品は素朴な違った味を出し、単なる手芸などと異なった無限の創造を含んでいます。 さらに、紙縒りはティッシュなど身近にあるもので簡単に作れて、これが取りも直さず頭の回転や指の運動にすぐれているのです。
老いも若きもパソコンを使う昨今、指はもちろん目や頭も活性化させる紙撚りは、IT時代にうってつけの創作活動となること請け合いです。

昔を偲ぶと、紙縒りはさまざまな場面に登場しているのが分かります。
例えば、江戸時代には、ジャンケンでなく紙縒りを撚り、二人でその両端を親指と小指にはさんで引き合い『引き抜けた方を負け』として勝敗を決めていました。
また、1本の紙縒りを2本に撚り(観世撚りという)にして犬を作り、その犬の尾に火をつけて『尾が全部燃えると待ち人来たる』といったものや、 長居の客がいるときに紙縒りで作った犬を鏡台や箪笥の上に置き、客の方へ向けて『帰るのか居るのかどちらか早く決めてくれ』という時に効き目があるという慣習がありました。

安価で素材に事欠かず、簡単に出来上がる紙縒考(紙縒りを工夫して装飾品などを作ること)は、生活に根ざした身近なものとして古くから受け継がれてきました。
人と人との輪をつくる小寄りに通じる紙縒りは、さまざまな魅力と可能性を秘め、生活を通してあなたの心強い支えとなってくれることでしょう。
皆様も指の運動、ひいては健康維持を兼ねて、紙縒りを造ってはいかがでしょう。