【ビジネス教育出版社メールマガジン】

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金┃融┃コ┃ラ┃ム┃

【テーマ】
「ロジカル・シンキングの重要性(後編)」

【執筆者】
経営コンサルタント、CFP(R)
リンク・イノベーション 代表 中野 克彦(なかの かつひこ)

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「前編」では、ロジカル・シンキングに関する、「論理的主張」について、
説明いたしました。
「後編」では、もう一つのロジカル・シンキングである「問題解決」について
です。

世の中、考えてみると問題だらけです。
仕事はもちろんのこと、プライベートでも様々な問題が起こります。
多くの場合、起こってしまった問題に対して、深く考えず、
問題点を決め打ちしてしまうことが往々にしてあります。

エレベーターの待ち時間が長い → エレベーターの速度が遅いから
プロジェクトが失敗した    → あいつが悪いから
資格試験に合格できなかった  → 仕事が忙しかったから

これらが、決め打ちの一例といえます。

エレベーターの待ち時間が長いというクレームがきて、
仮にそのエレベーターの速度を速めることができた場合、
もう同じようなクレームは来なくなるのでしょうか。
この問題の本質はエレベーターの速度ではないかもしれません。

資格試験に失敗した例も同様です。
仕事が忙しいと、すべての人は合格できないのでしょうか。
そんなことはないはずです。
少なくとも、原因の一つではあるかもしれませんが、
それがすべてではありません。

そんな時に、知っておきたいのが「事象の構造化」です。
難しく聞こえるかもしれませんが、
様々な事柄を分解して考えていく手法です。

皆さんは、喫茶店のマスターだったとしましょう。
お客様に「このホットコーヒーはおいしくない」と
言われてしまいました。
どこに問題があるのでしょうか。
そんな時は、コーヒーを「分解」していくのです。

コーヒーを構成する素材としては、コーヒー、ミルク、砂糖が考えられます。
さらに、コーヒーは、水と豆に分解できます。
豆は、産地や鮮度、煎り方などによっても味が変わってきます。
水は、硬度によって味も異なりますし、
コーヒーの淹れ方や水(お湯)の温度によっても変わります。
これらの件をまとめてみたのが、下記です。

example

詳細な点を考慮すれば、まだまだ細かく分類できそうです。
付随する、ミルクや砂糖も同様に分解することが可能です。

それ以外にも問題点は隠されているかもしれません。
コーヒーの味、そのものではなく、他の要素によって
「おいしくないと感じた」場合もありそうです。

店舗の問題や食器類、サービスの質など、環境面での切り口です。
お店の床がべたべただった、かかっている音楽がうるさい、
暗すぎて本が読めない、コーヒーカップが汚れていた、
不愛想な店員だったなどがあげられます。

このように、徹底的に事象を分解することによって、
問題点が浮かび上がってきます。
そしてそれぞれの問題点に対して優先順位を意識しながら、
解決策を検討し実施していくのです。
これがもう一つのロジカル・シンキングである「問題解決」です。

ビジネス教育出版社では、ロジカル・シンキングのスキルを身に着けるために、
下記の講座を予定しております。
様々な事象を「分解」していくことで、
思い浮かばなかった問題点に気付くこともできるのです。

<中野 克彦 プロフィール>
経営コンサルティング&ファイナンシャル・プランニング事務所 リンク・イノベーション代表
経営コンサルタント,CFP(R),1級FP技能士
コンサルタントとして経営戦略立案、マーケティング戦略の策定等を行なう一方で、
FP講師として大学や養成講座、大手生保会社での研修など、
年間100本以上のセミナーをこなす。
日本FP協会「くらしとお金の相談室」相談員。
著書「1円から始める資産運用(共著)」(日本経済新聞社)

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