【ビジネス教育出版社メールマガジン】

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金┃融┃コ┃ラ┃ム┃

【テーマ】
「日経平均株価の妥当性について」

【執筆者】
伊藤亮太FP事務所 代表 伊藤 亮太

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■日経平均株価21000円台は妥当な株価

皆さんがこのコラムをお読みになっているころには、
選挙結果も出ており、さらに株価が上がるか、
もしくは材料出尽くしで若干下がっているかどちらかとなっている
ことでしょう。
解散後、日経平均株価は絶好調。バブル期並みの連騰を成し遂げました。
それでは、なぜ日経平均株価は上昇したのでしょうか。
当然、与党勝利を見込んだ外国人、個人投資家買いが見られたのは
確かですが、理由は何であれ中長期的に見れば最終的には平均に回帰する、
そうした動きの一環ともとることができます。
そこで、日経平均株価の妥当性について考えていきたいと思います。
個別の株式では必ずしもあてはまるわけではありませんが、
日経平均株価に関しては、いまもPER(株価収益率)の投資指標が
有効な目安となっています。

■日経平均株価のPERは13.5倍~16倍程度の範囲で動く傾向がある

皆さまご存知の通り、PERは株価の割安性を見る一つの投資指標です。
日経平均株価の予想PERを確認してみると、金融危機後においては、
PER13.5~16倍程度の中で動いていることがわかっています。
北朝鮮ミサイル問題など地政学的リスクなどのマイナス面が
浮かび上がっているときは13.5~14倍と数値が低くなっています。
一方、政権安定や世界的株高傾向にあるときは、
15~16倍へと浮上していきます。
2017年10月18日段階における日経平均株価の予想1株あたり利益(EPS)は、1,428.97円。
これに13.5倍と15倍、16倍を掛けてみましょう。

13.5倍×1,428.97円=19,291.095円
15倍×1,428.97円=21,434.55円
16倍×1,428.97円=22,863.52円

ここから推測できることは、日経平均株価の妥当性は、
19,291円~22,863円ということ。
もちろん、1株あたり利益は為替等で変動しますので、
現状はこの範囲におさまる可能性が高いと予測できるわけです。
北朝鮮のミサイル発射時には日経平均株価が
19,200円~19,300円前後まで下がったかと思いますが、
あれはチャンスだったといえます。

ちなみに、2017年10月18日の日経平均株価の終値は21,363.05円。
また10月19日の始値は21,450.04円。PER15倍前後を推移しています。
北朝鮮リスクもいったんおさまり、
選挙結果を見据えた動きと捉えることができます。

今後上昇するかどうかは、北朝鮮リスクと与党の政策にかかっています。
割安な時を捉えるタイミングとしては、
19,000円台がチャンスといったところでしょうか。
何があっても動じずに、理論から素直に考えていく投資が現状では
リターンを稼ぐコツといえるかもしれません。

<伊藤 亮太 氏 プロフィール>
慶應義塾大学大学院商学研究科(専門は社会保障・年金)修了後、
証券会社の営業・経営企画部門等で活動。
2007年11月、「スキラージャパン株式会社」を設立。
個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランニングの
提案・サポート等を行うと同時に、企業やオーナーに対する
経営コンサルティング、相続・事業承継設計の
提案・サポートを主に行っている。

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