【ビジネス教育出版社メールマガジン】

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金┃融┃コ┃ラ┃ム┃

【テーマ】
「つみたてNISAは金融機関にとっても顧客のすそ野を広げるチャンス」

【執筆者】
㈱ビジネス教育出版社「暮らしとおかね」編集部
金融ライター 馬場 隆

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■国民の金融資産の状況

つみたてNISAが、2018年1月からスタートする。
この制度がなぜ誕生したかを考えると、日本の国民資産にかかわる
特異な状況が浮かび上がってくる。

日本には現在、1700超円という家計金融資産がある。
だが、この金融資産はその50%強が現預金であり、各個人にとって
有効に活用されているとは言いがたい。

欧米各国に比べ、株式・投資信託の保有率は低い。
さらに、国際的に低金利にあるため、預貯金の金利は極めて
低い水準に据え置かれている。

国民の金融資産は現状のままでは、なかなか資産形成に結びつかない
状況が続いている。

■貯蓄から投資へ

金融庁は、2014年にNISA制度をつくり広く国民の資産形成を
支援しようとしてきた。

ところが各種のアンケート調査によると、
NISA制度を活用しているのは中高年世代が多く、
若年層には関心の低いことが明らかになってきた。

その理由は「投資の知識がない」だけでなく、
「まとまった投資資金が用意できない」などの意見が多かった。

そこで金融庁が打ち出したのが、つみたてNISA制度である。
この制度は年間40万円を上限として、配当・譲渡所得を
20年間非課税とする新しい制度である。

それだけではない。安定的な資産形成を行うためには長期の積立、
分散投資が有効であるとの考え方から、積立による購入に
限定されている。

この方式であれば、まとまった資金がない若年層、
あるいは初心者でも資産形成を実行できる可能性が高い。

さらに、つみたてNISA制度では、対象ファンドは低い手数料など
一定の条件を満たす株式投資信託等に限定している。

現在日本で販売されている投資信託数は約6000本と言われているが、
このうち、つみたてNISA制度の対象として認定されたのは
100本強ほどだ。

■つみたてNISA、何をどう選ぶ?

ところで、100本強のファンドといっても、その中から具体的に
何を選べばいいかは金融関係者であろうと、迷うに違いない。

当社では、現在発売中のムック本「暮らしとおかねVol.2」
https://www.bks.co.jp/item/978-4-8283-0684-1
で、つみたてNISAに27ページを割いて大特集し、わかりやすい選び方を
提案している。

ページを読み進めると、読者との相性から8パターンに絞り込み、
選ぶべきファンドのイメージを把握することができる。

さらに同特集では、つみたてNISAの対象となる投資信託、
その柱となるインデックスファンドの内容や特徴を含めて
初心者にもわかりやすく解説している。

副題に「究極のズボラ式」と銘打ってあるように、
読者の利便性とわかりやすさを追求した構成になっている。

著者の梶川真理子氏(㈱フィナンシャルラボ・
エグゼクティブマネジャー)のわかりやすい解説に加えて、
親しみやすいイラストもふんだんに使われている。
ぜひ手に取っていただきたい本である。

■金融機関のメリット

金融機関との関連で言えば、このつみたてNISAは手数料が
低く押えられており、1件あたりの販売マージンからすると、
すぐにビジネスには結びつかない。

当然、金融機関の多くが、当初は消極的であった。
しかし、つみたてNISA口座開設をきっかけとして、
若年層が資産運用に目を向け、将来の有望顧客となる
可能性は小さくない。

長い目でみれば、金融界にとっても顧客のすそ野拡大の
チャンスだろう。

「暮らしとおかねVol.2」
https://www.bks.co.jp/item/978-4-8283-0684-1

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