【ビジネス教育出版社メールマガジン】

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金┃融┃コ┃ラ┃ム┃

【テーマ】
「あらゆる金融機関職員にお勧めしたいサイト2つ ~歴史は夜作られる~」

【執筆者】
金融データシステム代表 角川総一

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日経新聞(朝刊)の記事の締切をご存知だろうか。
都市部に配達される最終版でも、概ね当日未明の0時半~1時頃だ。
ということは、朝7時に朝刊を読むとして、おおむね6時間以上前の
ニュースを読んでいるのだ。
そしてその間は、米国を中心に多くの人がもっとも活発に経済活動を
営んでいる時間でもある。
つまり世界経済がもっとも活発に動いている時間だ。その間の情報が
日経朝刊からはすっぽり抜け落ちている。

日本株の取引が始まるのは朝9時。多くの場合、前日のNY市場での相場
を引き継いだ格好で始まる。そのNY市場での通常株式の取引は前日の
10時半~当日5時(夏時間・日本時間)。ということはこと株式市場
だけに限っても、NY市場が始まってから2時間程度の動きしか朝刊には
反映されない。

このようにみると、いまや日経新聞だけというのは貧しい。
朝一番で業務を始めるに際して、前日のNY株式の終値だけではなく、
ドル円相場、それに重大な影響を及ぼす米国の長期金利や原油価格の
動きを把握、その背景を1分程度で発信できるくらいの情報武装をして
おくことはいま、常識だと思う。

各種マーケットの動きをチェックするのに私が日常的に使っているのが
このサイトだ。
https://ch225.com/ 提供しているのは(株)ストックブレイン社という名で、すぐに探し
出せるはず。「スマホ」版もあるのだが、私は「PC・タブレット・iPad版」
で利用している。
このサイトはスグレモノ。

パソコンでも見れるが、もともとスマホ用にデザインしてあるらしく、
パソコンで見ると縦長で画面全体の半分だけしか表示されない。

画面一番上には日米の株価やドル円などのグラフが掲示され、その下には
内外の代表的なマーケット指標についての数値データが並ぶ。
左上には日経平均株価の直近値、その右には大阪取引所での日経平均
先物やニューヨーク株式、さらに下の段にはドル円相場、上海株や
WTI(原油)価格などが並んでいる。
これらの価格はいずれもほぼリアルタイム。つまり、取引が行われて
いる時間だと、眼の前でドンドン数値が変化していく。
さらにその下には、様々な情報ソースから提供された経済・金融関連の
ニュースが数分刻みで次から次へとリニューアルされていく。
ここでは、紙にプリントされた紙面情報ではとても伝えられない情報が
満載。まずは、何よりも時々刻々と数値が変化していくこと。
これは初めてご覧になった方にはとても新鮮に見えるはず。

この主要マーケットデータを確認した次の段階でオススメしたいのが
「Yahoo Finance」にある「経済指標情報」
(「Yahoo Finance」「経済指標情報」で検索すればすぐに発見できるはず)。
このサイトでは、各種マーケットを背後から動かしている景気関連の統計
データをリアルタイムで観察できる画面がある。

この画面の情報は利用価値が高い。世界中で発表された主要なマクロ経済
指標はほぼリアルタイムでカバーしているからだ。
先に「ch225.com」で代表的なマーケットデータを確認した。
もちろんこのマーケットデータは、日常的に観察しておくべきデータなの
だが、これを背後から動かしているのが実体経済だ。
そしてその実体経済のコンディションを端的に示すのが、ここに見る経済
統計データというわけだ。

こうしたデータチェックを日常的に行っていると、短期間のうちに、
経済・金融・各種マーケットについての情報発信力が飛躍的に高まってくる。
実際、多くの銀行などでこの種のセミナーを行ってきたが、
「重要なデータはメモするようになった」とか「一覧表に記入する習慣が
ついた」、あるいは「客先で最初の話題に困らなくなった」といった反応を
事後的に耳にすることがよくあります。

金融・証券データを徹底的に読みこなしたい方には、
拙著『金融・経済のしくみがおもしろいようにわかる15の連想ゲーム』
および『なぜ金利が上がると債券は下がるのか』がおすすめです。
両書籍とも電子版でも購入可能です。

『金融・経済のしくみがおもしろいようにわかる15の連想ゲーム』 『なぜ金利が上がると債券は下がるのか』